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介護求人への応募を確実に増やす12の実践方法

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介護業界の人材不足は年々深刻化しています。有効求人倍率は3倍を超え、多くの事業者が「応募が集まらない」という課題に直面しています。

しかし、適切な採用戦略を実践すれば、介護求人への応募者数を増やすことは可能です。

本記事では、中小介護事業者が実践できる「応募を確実に増やす12の方法」を詳しく解説します。人材確保に悩む介護施設の経営者・管理者の方々に、すぐに活用できる具体的な施策をお届けします。

目次

介護業界の採用環境と課題

応募増加の具体的な方法に入る前に、まずは現在の介護業界の採用環境を正確に理解しましょう。

介護業界の人材不足は、高齢化の進行に伴いさらに深刻化しています。総務省の調査によると、2010年に2948万人だった65歳以上の人口は、2025年には3677万人に達する見込みです。その後も増加を続け、2040年にはピークの3921万人に達すると予測されています。

高齢者人口の増加に伴い介護サービスの需要は高まる一方ですが、介護人材の確保は追いついていません。

高齢化率と介護人材需要の推移グラフ

では、なぜ介護職の採用が難しいのでしょうか?主な要因は以下の3つです。

1. 給与水準の低さ

介護福祉士の平均年収は、どの年代においても日本の平均年収を下回っています。安定した収入を得ることが難しいため、介護職を志望する人材が増えにくい状況です。

経済的な安定を求める求職者にとって、給与水準は職業選択の重要な判断材料となります。

2. ネガティブなイメージ

介護業界には「3K」(きつい・汚い・危険)というイメージが根強く存在します。

具体的には、排泄介助や入浴介助などの身体的ケア、被介護者を抱きかかえる際の身体的負担、夜勤を含むシフト勤務による生活リズムの乱れなどが挙げられます。さらに「給料の低さ」が4つ目の「K」として加わり、ネガティブイメージを強めています。

3. 有給休暇の取りにくさ

人手不足による業務量の多さから、有給休暇を取得しづらい環境も課題です。同僚に迷惑がかかることを気にして休めない、そもそも休暇を取れない雰囲気があるなど、ワークライフバランスの確保が難しい現状があります。

あなたの施設ではどうでしょうか?これらの課題に心当たりはありませんか?


応募を増やすための準備と心構え

介護職の採用活動を成功させるには、事前の準備が不可欠です。

採用難の時代だからこそ、綿密な計画と戦略的なアプローチが求められます。応募増加のための具体的な施策に取り組む前に、まずは以下の準備を整えましょう。

採用計画の明確化

効果的な採用活動のためには、具体的な採用計画を立てることが重要です。以下の要素を明確にしましょう。

  • いつまでに(when)採用を完了させたいか
  • どんな人物(who)を採用したいか
  • どの部署で(where)働いてもらうか
  • 何人(how many)必要か

これらの要件を明確にすることで、採用基準や戦略、スケジュールを適切に設計できます。

自施設の強みと弱みの分析

大手施設と比較して、中小介護事業者ならではの強みを理解することが重要です。

アットホームな職場環境、個人の成長機会、地域密着型のサービス提供など、中小規模だからこそ提供できる価値を明確にしましょう。同時に、改善すべき弱みも客観的に分析することで、より効果的な採用戦略を立てられます。

中小介護施設の強みを表す職場環境イメージ

私の経験では、採用に成功している中小介護施設は、自分たちの「小ささ」をむしろ強みとして打ち出しています。大手にはない温かさや柔軟性を前面に出すことで、「大きな組織より小さな組織で働きたい」という求職者の心を掴んでいるのです。


介護求人への応募を増やす12の実践方法

それでは本題に入りましょう。介護求人への応募を確実に増やすための12の実践方法を紹介します。

1. 介護職専門の求人媒体を活用する

一般的な求人媒体よりも、介護職専門の求人媒体の方が効果的です。介護職専門サイトにアクセスするユーザーは、すでに介護職への志望度が高い傾向にあります。

おすすめの介護職専門求人媒体としては、以下のようなものがあります。

  • ミラクス介護(2020年調査で「介護職がおすすめする求人サイトNo.1」)
  • きらケア介護(職場の雰囲気や離職率など踏み込んだ情報提供が特徴)
  • 介護ワーク(転職エージェントがサポートしてくれる)
  • マイナビ介護職(大手ならではの求人集積ノウハウあり)
  • 介護求人パーク(条件別カテゴライズが充実)
  • e介護転職(合同就職フェアも開催)

これらの媒体を複数組み合わせることで、より多くの求職者にアプローチできます。

2. 求人検索エンジンを効果的に活用する

Indeedなどの求人検索エンジンは、複数の求人サイトの情報を集約して表示してくれるため、多くの求職者の目に触れる機会が増えます。

ある企業の成功事例では、Indeedで1原稿掲載時は表示回数462回/日、クリック数8回/日、応募数0だったのに対し、4原稿掲載時には表示回数957回/日、クリック数33回/日、応募数4件と大幅に改善しました。

原稿数を増やすことで露出が増え、応募獲得につながる可能性が高まります。特に勤務地が1つしかない場合は、法人所在地以外で説明会を開催し、その開催地を検索軸として原稿をアップすることも効果的です。

3. 求人原稿の差別化を図る

「やりがい」だけを強調した一般的な求人原稿では、他の施設との差別化が難しくなっています。

仕事内容を具体的に分解し、求職者が知りたい情報を詳細に記載しましょう。特に以下の点を明確に伝えることが重要です。

  • 具体的な業務内容と1日のスケジュール
  • 実際の職場環境や人間関係
  • 給与・待遇の詳細(基本給、手当、賞与など)
  • 休日・休暇制度の実態(実際の取得状況も含む)
  • 研修制度や成長機会
  • 働きやすさのための具体的な取り組み
差別化された介護求人広告のイメージ

4. ターゲットを明確にした採用戦略を立てる

「誰でもいいから採用したい」という姿勢では効果的な採用活動はできません。以下のようなターゲット別のアプローチを検討しましょう。

  • 未経験者向け:丁寧な研修制度や成長機会を強調
  • 経験者向け:キャリアアップの可能性や専門性を活かせる環境をアピール
  • ブランク有の方向け:復帰支援プログラムや柔軟な勤務体制を提案
  • シニア層向け:経験を活かせる役割や無理のない勤務形態を提示

ターゲットを絞ることで、その層に響くメッセージを発信できます。

私が支援した小規模デイサービスでは、「子育て中の方」に特化した採用戦略を展開し、3ヶ月で4名の採用に成功しました。学校行事への参加を保証する制度や、急な子どもの病気にも対応できる相互サポート体制を前面に打ち出したのです。

5. 職場環境の可視化と透明性の確保

求職者は「ブラック企業ではないか」という不安を抱えています。職場環境の透明性を高めることで、この不安を解消しましょう。

  • 職場の写真や動画を公開する
  • スタッフインタビューを掲載する
  • 実際の勤務シフトや休暇取得状況を開示する
  • 職場見学や1日体験の機会を提供する

「見せる」ことで信頼を獲得し、応募のハードルを下げることができます。

6. 給与・待遇の明確化と魅力向上

給与は求職者の大きな関心事です。曖昧な表現ではなく、具体的な金額や昇給制度を明示しましょう。

また、基本給だけでなく、以下のような付加価値も検討してください。

  • 資格手当の充実(取得支援制度も含む)
  • 夜勤手当・特殊業務手当の適正化
  • 住宅手当や通勤手当の拡充
  • 退職金制度や福利厚生の充実

「この施設で働くと、経済的にどのような未来が待っているのか」を具体的に示すことが重要です。


応募後のフォローと採用プロセスの改善

応募数を増やすだけでなく、応募後のプロセスも重要です。せっかく応募が来ても、対応が遅れたり不適切だったりすると、内定辞退や早期離職につながります。

7. 迅速かつ丁寧な応募者対応

応募者への対応スピードは、採用成功の鍵を握ります。応募から24時間以内の初回連絡を心がけましょう。

また、不採用の場合でも丁寧なフィードバックを行うことで、応募者の心象を良くし、将来的な再応募や口コミ効果につながります。

「応募してくれてありがとう」という感謝の気持ちを伝えることを忘れないでください。

8. 面接プロセスの工夫と改善

面接は双方向のコミュニケーションの場です。一方的な質問だけでなく、以下のような工夫を取り入れましょう。

  • 施設見学を組み込んだ面接プロセス
  • 現場スタッフとの交流機会の提供
  • 実際の業務を体験できるトライアル制度
  • オンライン面接オプションの用意(遠方の方向け)

面接の場で「この施設で働きたい」と思ってもらえるような体験を提供することが大切です。

介護施設での面接風景

9. 採用後のフォローアップ体制の構築

内定から入職までの期間に内定者とのコミュニケーションを維持することも重要です。

内定辞退を防ぐために、定期的な連絡や入職前研修、先輩スタッフとの交流会などを実施しましょう。また、入職後のフォローアップ体制も整えておくことで、早期離職を防止できます。


デジタル戦略とブランディングの強化

現代の採用活動では、デジタル戦略と施設ブランディングが重要な役割を果たします。

10. SNSを活用した施設の魅力発信

InstagramやFacebook、YouTubeなどのSNSを活用して、施設の日常や働く人の様子を発信しましょう。

リアルな職場の雰囲気や、スタッフの生の声を伝えることで、求職者の不安を解消し、「ここで働きたい」という気持ちを育むことができます。

SNS運用のポイントは継続性と一貫性です。担当者を決めて定期的に更新することで、フォロワーを増やし、採用活動に活かしましょう。

11. 口コミと紹介制度の活性化

既存スタッフからの紹介は、質の高い人材を獲得する効果的な方法です。紹介制度を整備し、インセンティブを設けることで、紹介を促進しましょう。

また、職場の雰囲気や働きやすさを向上させることで、自然と良い口コミが広がり、応募増加につながります。

従業員満足度の向上が、結果的に採用活動の成功にもつながるのです。

12. 採用業務の専門家への委託検討

採用活動に十分なリソースを割けない場合は、採用代行サービスの利用も検討しましょう。

「かいごのおたすけ採用隊」のような中小介護事業者専門の採用課題解決サービスを活用することで、専門的なノウハウを取り入れた効果的な採用活動が可能になります。

月額定額制で採用業務を完全代行してくれるサービスもあり、初期費用無料、成果報酬無料、求人掲載費込みの明確な料金体系で利用できます。

介護施設の採用業務支援イメージ

導入事例として、関東地方のデイサービス(従業員15名)では3ヶ月で5名の採用に成功、関西地方の特別養護老人ホーム(従業員45名)では採用業務時間を50%削減、九州地方のグループホーム(従業員8名)では2ヶ月で2名の採用に成功した実績があります。


まとめ:応募増加は戦略的アプローチで実現可能

介護業界の人材不足は深刻ですが、適切な戦略と実践によって応募数を増やすことは可能です。

本記事で紹介した12の実践方法を自施設の状況に合わせて取り入れ、継続的に改善していくことが大切です。一朝一夕に結果が出るものではありませんが、地道な取り組みが必ず実を結びます。

介護業界の採用環境は厳しいからこそ、他施設との差別化が重要です。中小介護事業者ならではの強みを活かし、求職者の心に響く採用活動を展開しましょう。

介護人材の確保にお悩みの方は、ぜひ「かいごのおたすけ採用隊」にご相談ください。中小介護事業者の採用課題に特化したサポートで、あなたの施設の人材確保をバックアップします。

かいごのおたすけ採用隊の詳細はこちら

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