
デイサービススタッフ採用が難しい現状と課題
「また応募がゼロか…」
デイサービスの管理者なら、この溜息をついた経験があるのではないでしょうか。介護業界の人材不足は年々深刻化しています。厚生労働省の調査によると、2023年の介護関係職種の有効求人倍率は4.02倍。全職業平均の1.19倍と比較すると、いかに採用が難しい状況かがわかります。
特に中小規模のデイサービスでは、大手法人と比べて知名度や待遇面で不利な状況に置かれがちです。「うちのような小さな事業所では人が集まらない」と諦めてしまう気持ちもわかります。

しかし、希望はあります。工夫次第で中小デイサービスでも優秀なスタッフを採用できる事例が増えているのです。
成功例1:求人媒体の戦略的選択で応募数3倍増
求人媒体選びは、釣りで言えば「どこで釣るか」という問題です。
関東地方のあるデイサービス(従業員15名)では、従来はハローワークのみに求人を出していましたが、3ヶ月間で応募がわずか2名という状況でした。そこで複数の求人媒体を併用する戦略に切り替えたところ、応募者が3倍に増加。3ヶ月で5名の採用に成功したのです。
具体的には、Indeed、リクナビNEXT、タウンワークの3つの媒体を使い分けました。Indeedではキーワード検索に強いという特性を活かし、対象となる資格・経験・該当学歴を正式名称で記載。リクナビNEXTでは「まいにちサーチオファー」を活用して対象資格保有者にダイレクトアプローチ。タウンワークでは幅広い人材にリーチしました。

この成功例から学べるポイントは、「一つの媒体に頼らない」ということ。各媒体の特性を理解し、目的に合わせて使い分けることが重要です。
どうですか?あなたの施設でも試してみる価値はありませんか?
成功例2:求人原稿のリニューアルで応募者の質が向上
「求人を出しても応募はあるけど、すぐに辞めてしまう…」
九州地方のグループホーム(従業員8名)では、この悩みを抱えていました。原因を分析したところ、求人原稿と実際の仕事内容にギャップがあることが判明。そこで求人原稿を一から見直したのです。
改善した3つのポイント
まず、施設の理念や価値観を明確に伝えるようにしました。「利用者様の自立支援を大切にしています」といった抽象的な表現ではなく、「朝の着替えでは、できるだけご自身で選んでいただき、必要な部分だけお手伝いしています」など、具体的なエピソードを交えて説明しました。
次に、求める人物像を具体化。「明るく元気な方」という曖昧な表現ではなく、「利用者様の小さな変化に気づける観察力のある方」「チームで協力して問題解決できる方」など、実際に必要なスキルや姿勢を明記しました。
最後に、職場の雰囲気が伝わる写真や動画を追加。スタッフの笑顔や利用者との関わりの様子を見せることで、「ここで働きたい」と思ってもらえる工夫をしました。
結果、応募者数は減りましたが、施設の理念に共感する質の高い応募者が増加。2ヶ月で2名の採用に成功し、その後の定着率も向上しました。

私が現場で見てきた経験では、「正直に伝える」ことが最も効果的です。美化せず、課題も含めて伝えることで、入職後のギャップを減らせるのです。
成功例3:採用業務の外部委託で時間とコスト削減
関西地方の特別養護老人ホーム(従業員45名)では、採用業務に多くの時間を取られることが課題でした。施設長や主任が採用に時間を割くことで本来の業務に支障が出ていたのです。
そこで採用業務を専門の外部サービスに委託することにしました。「かいごのおたすけ採用隊」のような中小介護事業者専門の採用代行サービスを利用したところ、採用業務の時間が50%削減。さらに、採用のプロによる戦略的な求人設計と積極的なスカウト活動により、応募者数も増加しました。
外部委託で得られた3つのメリット
- 採用業務の時間削減により、本来の介護業務に集中できるようになった
- 採用のプロによる効果的な求人戦略で、応募者数と質が向上
- 採用コストの予測可能性が高まり、経営の安定化につながった
外部委託というと「コストがかかる」というイメージがあるかもしれません。しかし、人材紹介会社の成功報酬(一般的に年収の30%程度)と比較すると、月額定額制の採用代行サービスはコスト面でも優位性があります。
特に「かいごのおたすけ採用隊」のような中小介護事業者専門のサービスでは、月額10万円(税別)で採用業務を完全代行。初期費用無料、成果報酬無料、求人掲載費込みの明確な料金体系で、中小事業者の負担を軽減しています。

中小規模の施設では、限られた人員で運営しているからこそ、「選択と集中」が重要です。採用のプロに任せることで、あなたは利用者様へのサービス向上に集中できるのです。
成功例4:未経験者採用で人材の幅を広げる
「資格保有者が集まらない…」
この悩みを解決したのが、東京都内のデイサービス(利用者定員20名)です。従来は介護資格保有者のみを募集していましたが、応募が少ない状況が続いていました。そこで発想を転換し、未経験者も積極的に採用する方針に切り替えたのです。
ただし、ただ未経験者を採用するだけではなく、独自の教育プログラムを構築。先輩スタッフによるマンツーマン指導や、外部研修の積極的な活用、資格取得支援制度の充実など、未経験者が安心して成長できる環境を整えました。
私が驚いたのは、未経験者から育てたスタッフの定着率の高さです。「一から教えてもらった」という感謝の気持ちが愛社精神につながり、長く働いてくれる傾向がありました。
また、介護業界以外からの転職者が持つ多様な経験や視点が、サービスの質向上にもつながっています。例えば、接客業経験者によるホスピタリティの向上や、事務職経験者による業務効率化など、異業種での経験が介護現場に新しい風を吹き込んでいるのです。

未経験者採用を成功させるポイントは、「教育体制の充実」と「成長を実感できる仕組み」です。あなたの施設でも、未経験者を戦力に変える仕組みを作ってみませんか?
成功例5:職場環境改善で口コミ採用の好循環を生む
北海道のデイサービス(従業員12名)では、「今いるスタッフが辞めない・紹介したくなる職場づくり」に注力しました。具体的には、以下の取り組みを実施しています。
働きやすさを追求した3つの施策
- 柔軟なシフト制度:子育て中のスタッフが多いことを考慮し、学校行事や急な子どもの病気にも対応できるよう、シフト調整を柔軟に行う体制を整えました。
- 定期的な個別面談:月1回の個別面談で、業務上の悩みや改善点を聞き取り、迅速に対応。スタッフの声を大切にする姿勢を示しました。
- スキルアップ支援:外部研修への参加費用補助や、資格取得支援制度を充実させ、キャリアアップを応援する体制を整えました。
これらの取り組みにより、スタッフの定着率が向上。さらに、働きやすさが口コミで広がり、「友人を紹介したい」というスタッフが増加しました。実際、過去1年間の採用の半数以上が既存スタッフからの紹介によるものだそうです。
職場環境の改善は、単に「離職を防ぐ」だけでなく、「採用コストの削減」にもつながります。人材紹介会社に支払う費用と比較すると、職場環境改善への投資は長期的に見て非常に効果的なのです。
あなたの職場は、スタッフが友人に自信を持って紹介できる環境ですか?
成功例6:地域とのつながりを活かした採用戦略
地方の小規模デイサービスでは、大手求人媒体での募集だけでは効果が限定的なことがあります。そこで注目したいのが、地域とのつながりを活かした採用戦略です。
愛知県の小規模デイサービス(従業員10名)では、以下の取り組みで地域に根ざした採用に成功しています。
地域密着型採用の4つの施策
- 地域イベントへの積極参加:地域のお祭りや健康イベントに施設として参加し、地域住民との交流を深めました。
- 地元商店街との連携:近隣の商店街と連携し、店舗に求人ポスターを掲示してもらうことで、地域住民の目に触れる機会を増やしました。
- 地域包括支援センターとの関係構築:地域包括支援センターのスタッフに施設の特徴や雰囲気を知ってもらい、潜在的な求職者への紹介を依頼しました。
- 地元高校・専門学校との連携:介護福祉士養成校や地元高校のキャリア教育に協力し、実習生の受け入れや職場体験の機会を提供しました。
これらの取り組みにより、求人媒体では出会えなかった地域の潜在的な人材と接点を持つことができました。特に、子育てが一段落した主婦層や定年退職後の元気なシニア層など、従来の求人活動では届きにくかった層からの応募が増加したのです。
地域とのつながりを深めることは、単に採用だけでなく、利用者獲得にもつながる一石二鳥の取り組みです。小規模だからこそできる「顔の見える関係づくり」が、採用においても強みになるのです。
成功例7:SNSを活用した施設の魅力発信
「うちの施設の良さをもっと知ってほしい!」
この思いを実現したのが、大阪府のデイサービス(従業員18名)です。InstagramやTikTokなどのSNSを活用して施設の日常や魅力を発信することで、採用活動に成功しました。
具体的には、利用者様の了承を得た上で、レクリエーションの様子や季節のイベント、スタッフの日常など、施設の雰囲気が伝わる投稿を定期的に行いました。特に人気だったのは、「介護の仕事あるある」や「利用者様との心温まるエピソード」など、介護の仕事の魅力が伝わるコンテンツです。
SNS運用のポイントは、「等身大の姿を見せること」。きれいに整えられた広告的な内容よりも、実際の職場の雰囲気や、スタッフの生の声が伝わる投稿の方が共感を呼びます。
この取り組みにより、従来の求人媒体では届かなかった若い世代からの応募が増加。「SNSを見て、この施設で働きたいと思いました」という応募者が増えたそうです。
SNS運用は手間がかかるイメージがありますが、スタッフ全員で分担すれば負担は軽減できます。週1回の投稿からでも始められるので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
成功例8:採用面接の工夫で内定承諾率アップ
最後に紹介するのは、採用面接の工夫で内定承諾率を高めた事例です。
神奈川県のデイサービス(従業員20名)では、従来の面接方法を見直し、以下の改善を行いました。
面接改善の5つのポイント
- 施設見学を組み込む:面接当日に実際の施設内を案内し、働く環境をイメージしてもらいました。
- 現場スタッフとの交流時間:面接官だけでなく、実際に働いているスタッフとの座談会形式の時間を設け、率直な質問ができる場を作りました。
- 体験型の質問:「こんな状況ではどうしますか?」という仮想事例を用いた質問で、応募者の考え方や価値観を引き出しました。
- 双方向のコミュニケーション:一方的に質問するのではなく、応募者の疑問や不安にしっかり答える時間を設けました。
- 迅速なフィードバック:面接後の連絡を迅速に行い、合否に関わらず丁寧なフィードバックを提供しました。
これらの取り組みにより、内定承諾率が従来の60%から85%に向上。特に効果的だったのは「現場スタッフとの交流時間」で、応募者からは「実際に働いている人の生の声が聞けて安心した」という声が多く聞かれました。
面接は採用する側が応募者を評価する場ではなく、「お互いを知り、マッチングを確認する場」です。応募者が安心して本音を話せる環境づくりが、ミスマッチを防ぎ、入職後の定着率向上にもつながります。
デイサービススタッフ採用成功のための実践ポイント
ここまで8つの成功例を紹介してきましたが、これらに共通するポイントは何でしょうか。
それは「採用は一方通行ではなく、双方向のコミュニケーション」だということです。求職者に一方的に応募してもらうのではなく、施設側からも積極的に働きかけ、魅力を伝えることが重要なのです。
最後に、すぐに実践できるアクションプランをまとめます:
- 複数の求人媒体を使い分け、それぞれの特性を活かす
- 求人原稿は具体的に、等身大の姿を正直に伝える
- 採用業務の負担が大きい場合は外部委託も検討する
- 未経験者採用と教育体制の充実で人材の幅を広げる
- 現在のスタッフが働きやすい環境づくりで口コミ採用を促進
- 地域とのつながりを深め、潜在層にアプローチ
- SNSなどを活用して施設の魅力を日常的に発信
- 面接プロセスを見直し、応募者の不安を解消する
デイサービスの採用は確かに難しい課題ですが、工夫次第で状況を改善できることが、これらの成功例からわかります。
中小規模だからこそできる「顔の見える関係づくり」や「柔軟な対応」を強みに変え、採用活動を成功させましょう。
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