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介護施設の採用成功事例集│10の実践モデル

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介護施設の採用難を乗り越える10の成功事例

介護業界の採用難は年々深刻化しています。厚生労働省によると、2025年には55万人もの介護人材が不足する見通しです。

「求人を出しても応募がこない」「良い人材に出会っても他社に取られてしまう」—こんな悩みを抱える介護施設は少なくありません。超高齢社会を迎えた今、人材確保は施設運営の最重要課題となっているのです。

しかし、この厳しい状況の中でも、独自の工夫で採用に成功している施設が確かに存在します。大手に負けない中小施設ならではの強みを活かした採用戦略が、今注目を集めています。

介護スタッフが明るく働く施設の様子

今回は、実際に採用に成功した介護施設の事例を10パターン紹介します。各施設がどのような課題を抱え、どのような工夫で乗り越えたのか、その具体的な取り組みを解説していきます。


事例1:若手職員を巻き込んだ採用活動で応募者急増

最初にご紹介するのは、若手職員を採用活動の中心に据えることで成功した事例です。

福岡県のある社会福祉法人では、若手職員のアイデアを活かした「ケアワーカー魅力発信委員会」を発足させました。特に注目すべきは、YouTubeを活用した情報発信です。1分間の動画はホームページ100ページ分の情報量に相当すると言われており、一度に多くの情報を伝えられるというメリットがあります。

委員会のメンバーは、実際の介護現場での取り組み事例紹介や各施設の紹介ムービーなど、学生や求職者に介護や事業所の魅力を伝えられるような内容の動画を制作しました。若手職員ならではの視点と感性が、同世代の求職者に強く響いたのです。

若手職員が集まって採用戦略を考える様子

実際、この取り組みを始めてから、面接に来た学生や求職者から「YouTubeを見ました」との声がよく挙がるようになり、応募者数が大幅に増加しました。さらに、制作した動画は研修にも活用され、職員の教育にも役立っています。

この事例から学べるポイントは次の3つです。

  • 若手職員ならではの視点を採用活動に活かす
  • 時代に合ったツール(YouTube等)を積極的に活用する
  • 制作したコンテンツを採用だけでなく教育にも活用する

あなたの施設でも、若手職員の意見を取り入れる仕組みはありますか?彼らの視点は、同世代の求職者の心に届くメッセージを生み出す貴重な資源になるかもしれません。


事例2:魅力発信チームの結成で新卒採用の質が向上

京都府の社会福祉法人南山城学園では、若手職員の育成を目的とした「魅力発信チーム」を結成しました。

このチームのメンバーは、就職説明会や座談会への参加、大学の講義でのゲストスピーカーとしての講演、映像制作、内定者フォローなど、入職から採用までの幅広いプロセスに携わっています。

特に効果的だったのは、就職説明会や内定者フォローで学生と属性の近い職員を引き合わせる取り組みです。年齢や出身大学、趣味嗜好などが近い若手職員との対話は、学生にとって具体的な将来像を描く助けとなりました。

「私たちが大切にしているのは、単なる人数合わせの採用ではなく、法人の理念に共感してくれる人材との出会いです」

こうした活動により、法人の方向性に共感した学生が応募してくるようになり、応募者の質が向上。ミスマッチが少なくなり、入職後の定着率も上がったそうです。

さらに、若手職員の母校の先生に卒業後の活躍を知ってもらえるというメリットも生まれ、継続的な採用パイプラインの構築にもつながっています。

  • バックグラウンドの異なる若手職員でチームを構成し、幅広い学生に対応
  • 説明会だけでなく、映像も活用して多角的にアプローチ
  • 法人の方向性を明確に伝えることでマッチング精度の高い採用を実現

採用の「数」だけでなく「質」にこだわることで、長期的な人材定着につながる好循環が生まれたのです。


事例3:地域のハンデを逆手に取った採用マーケティング

京都府北部という立地がネックになり、採用活動に苦戦していたみねやま福祉会。充実した福利厚生や働きやすい環境があるにもかかわらず、都市部から離れた立地が応募者獲得の障壁となっていました。

地方の介護施設の魅力的な外観と自然環境

法人の認知度向上のために、若手職員の採用強化チーム「SKIPPA」を結成しました。彼らはホームページ・パンフレット・SNSのコンテンツを刷新し、合同就職説明会での企画運営を行いました。

特筆すべきは、地方立地というデメリットを逆手に取った戦略です。「都会の喧騒から離れた自然豊かな環境」「地域に根ざした温かなケア」「アットホームな職場環境」など、大都市の大規模施設にはない魅力を前面に打ち出しました。

さらに、地元出身者のUターン就職希望者や地方での暮らしに憧れる都市部の若者をターゲットにした採用メッセージを発信。地域の特性を活かした独自の介護サービスの魅力も伝えました。

この取り組みにより、たった2年間で合同説明会での集客数が62倍に増加。採用数も大幅に伸び、地方の小規模施設でも効果的な採用活動が可能であることを証明しました。

地方の介護施設が採用で成功するためのポイントは、「弱み」と思われる要素を「強み」に変換する発想の転換にあるのかもしれません。


事例4:レスポンスの速さで採用率アップを実現

採用に成功している介護施設に共通する特徴として、「レスポンスの速さ」が挙げられます。

埼玉県のあるデイサービス施設では、応募者への対応を徹底的に迅速化することで、採用成功率を大幅に向上させました。具体的には、以下の取り組みを実施しています。

  • 応募から24時間以内の初回連絡
  • 面接日程の調整は最短で翌日に設定
  • 面接当日に可能な限り採用の可否を伝える
  • 内定後のフォローも迅速に実施

「良い人材ほど引く手あまたです。チャンスを逃さない姿勢が重要です」と施設長は語ります。実際、この施設では応募者の80%以上が面接に来るようになり、内定承諾率も60%から85%に向上しました。

さらに、面接当日は施設見学も必ず実施し、実際の職場環境や雰囲気を体感してもらうことで、入職後のミスマッチも減少させています。

あなたの施設では、応募者への返信にどれくらいの時間がかかっていますか?数日後の返信では、すでに他の施設に心を奪われているかもしれません。採用のスピード感は、今や成功の重要な鍵となっているのです。


事例5:職場の清潔感と笑顔の挨拶で好印象を獲得

施設の古さや新しさに関係なく、求職者に「ここで働きたい」と思わせる要素として、「清潔感」と「職員の雰囲気」が重要です。

大阪府のある特別養護老人ホームでは、面接日には特に以下の点に気を配っています。

  • 備品がきちんと整理されていること
  • 水回りが清潔に保たれていること
  • 職員の服装が乱れていないこと
  • 休憩所や更衣室がキレイに使われていること

さらに重要なのが、現場スタッフの対応です。求職者は、現場スタッフが楽しそうに働いているかどうかをとても注視しています。この施設では、面接のある日は朝礼でスタッフに「これから一緒に働いてほしい方なので、見かけたらぜひ笑顔で挨拶お願いします」と伝えています。

清潔感のある介護施設の廊下と笑顔で挨拶するスタッフ

無言でスルーされると「雰囲気がよくないのかな」という印象につながってしまいますが、笑顔で挨拶されると「働きやすい職場なのかも」という好印象を持ってもらえます。

この取り組みにより、面接後のアンケートで「スタッフの方々の雰囲気が良く、働きやすそうだと感じた」という回答が増加。内定承諾率も向上しました。

施設の第一印象は、採用の成否を左右する重要な要素です。あなたの施設は求職者にどんな第一印象を与えているでしょうか?


事例6:対話型面接で志望度アップを実現

面接は、施設側が求職者を評価する場であると同時に、求職者が施設を評価する場でもあります。

関東地方のあるグループホームでは、従来の「質問攻め」の面接スタイルを改め、対話型の面接に切り替えました。

具体的には、以下のような変更を加えています。

  • 「前職の退職理由は?」「腰痛はありますか?」といったネガティブな質問を減らす
  • 「当施設に入社してくれたら、こんなふうに成長できます」という具体像を語る
  • 「利用者様に対して持っている想い」「ケアに対する考え方」を共有する
  • 求職者にも「どう成長したいですか」「どんなケアがしたいですか」と問いかけ、耳を傾ける

この変更により、面接後の求職者の志望度が大幅にアップ。「ここで働きたい」と思ってもらえる確率が高まりました。

「面接は互いを知り合う対話の場。私たちの理念や想いを伝え、相手の想いに耳を傾けることで、本当の意味での相性が見えてきます」

面接官の一方的な質問形式ではなく、対話形式の面接。リスペクトが感じられるような問いかけの姿勢。こういった姿勢が感じられないと、「ここでは働けそうにない」と判断され、求職者の方から辞退連絡が来てしまうことも少なくありません。

面接は単なる選考の場ではなく、互いの価値観を確認し合う大切な機会なのです。


事例7:募集要件の柔軟化で人材確保に成功

「なかなか応募が来ない」と悩む施設の多くは、募集要件が厳しすぎるケースがあります。

九州地方のあるグループホームでは、以下のように募集要件を柔軟化することで、採用の間口を広げることに成功しました。

  • 年齢制限の緩和(60代、70代の元気な方も積極採用)
  • 雇用形態の多様化(正社員、パート、アルバイト、週1日勤務など)
  • 時間帯・曜日の柔軟化(夜勤のみ、日勤のみ、土日のみなど)
  • ブランク・無資格・未経験者の受け入れ
  • 転職歴の多さを不問に
多様な年齢層のスタッフが協力して働く介護施設の様子

特に効果的だったのは、良い人材に関しては日勤のみ、土日休みでの正社員雇用を行うなど、個々の事情に合わせた柔軟な働き方を提案したことです。

「子育て中で平日9時〜15時しか働けない」「週3日だけ働きたい」といった条件でも、シフト調整で対応。その結果、多様なバックグラウンドを持つ人材が集まり、職場に新たな活力が生まれました。

さらに、未経験者向けの独自の研修プログラムを整備し、無資格でも安心して働ける環境を整えました。これにより、介護に興味はあるものの一歩を踏み出せなかった層からの応募が増加しています。

「理想の条件」にこだわりすぎると、出会うべき人材と出会えないかもしれません。募集要件の柔軟化は、人材確保の有効な戦略の一つです。


事例8:制度の充実で離職率低下と採用力アップを実現

採用と定着は表裏一体の関係にあります。離職率が高ければ、いくら採用しても「穴埋め」に終始してしまいます。

関西地方のある特別養護老人ホームでは、以下のような制度の充実により、離職率の低下と採用力のアップを同時に実現しました。

  • キャリアパス制度の明確化(将来の成長イメージが描ける)
  • 研修制度の充実(外部研修への参加費用全額補助)
  • メンター制度の導入(新入職員一人ひとりに先輩職員がつく)
  • 子育て支援制度(時短勤務、急な休みにも対応)
  • 資格取得支援制度(費用補助、勉強会の開催)

特に効果的だったのは、職員の「成長」と「安心」を支える仕組みづくりです。キャリアパス制度により将来の成長イメージが明確になり、メンター制度により日々の不安や悩みを相談できる環境が整いました。

これらの取り組みにより、離職率は前年比50%減。さらに、「働きやすい職場」という評判が口コミで広がり、職員の紹介による応募が増加するという好循環が生まれました。

「うちの施設は働きやすいよ」と自信を持って言える職場づくりが、結果的に最強の採用戦略になるのです。


事例9:人材育成・教育の充実で採用競争力を強化

人材育成や教育の充実は、採用力の強化にも直結します。特に若手人材は「成長できる環境かどうか」を重視する傾向があります。

東京都のある介護施設では、人材育成プログラムの充実により、採用競争力を高めることに成功しました。

  • 段階的な成長を促す独自のキャリアラダー
  • 定期的な個別面談とフィードバック
  • 外部研修への積極的な派遣
  • 資格取得支援(勤務調整、費用補助)
  • 施設内勉強会の定期開催

特に注目すべきは、採用活動においてこれらの人材育成プログラムを前面に打ち出した点です。求人広告や説明会では、「当施設で成長できること」を具体的に示し、入職後のキャリアパスを明確にイメージできるよう工夫しました。

また、実際に施設で成長した職員の事例を紹介することで、リアリティのある将来像を提示。「入職時は未経験だった職員が、5年後にはリーダーとして活躍している」といった具体例が、求職者の心に響いたようです。

人材育成に力を入れる施設は、「育てる文化」が根付いていることが多く、新人に対しても温かく迎え入れる雰囲気があります。こうした文化が「ここで働きたい」という気持ちを高め、採用力の向上につながるのです。


事例10:コロナ禍に対応したオンライン採用の成功例

コロナ禍を機に、採用活動のオンライン化が急速に進みました。この変化にいち早く対応した施設が、採用で優位に立っています。

北海道のある介護施設では、以下のようなオンライン採用の取り組みで成果を上げました。

  • オンライン施設見学会の実施
  • Zoomを使った個別相談会
  • 動画による施設紹介
  • オンライン面接の導入

特に効果的だったのは、スマートフォンを使った「生中継施設見学」です。職員が実際に施設内を歩きながら、リアルタイムで施設の様子を伝えることで、対面以上に細かな部分まで見せることができました。

また、遠方の求職者とのオンライン面接を積極的に実施。地理的制約がなくなったことで、UIターン希望者からの応募が増加しました。

「当初はオンライン化に不安もありましたが、むしろ対面よりも効率的で効果的な面もあることがわかりました。今後もハイブリッドな採用活動を続けていきます」と施設長は語ります。

時代の変化に柔軟に対応し、新しい採用手法を積極的に取り入れる姿勢が、人材確保の鍵となっているのです。


中小介護施設の採用成功の共通点

ここまで10の事例を見てきましたが、採用に成功している中小介護施設には、いくつかの共通点があることがわかります。

まず第一に、「大手にはできない中小ならではの価値」を明確にしていることです。アットホームな職場環境、個人の成長機会の強調、地域密着型サービスの価値など、大規模施設にはない魅力を前面に打ち出しています。

アットホームな雰囲気の中小介護施設の休憩スペース

第二に、「きめ細かいサポート体制」を整えていることです。一つ一つの施設に専任担当者が付き、大手代行会社では実現できない細やかで丁寧なサポートを提供しています。迅速なレスポンスと柔軟な対応、施設の状況に応じたカスタマイズが、求職者の心を掴んでいます。

第三に、「長期的なパートナーシップ」の視点を持っていることです。単発の採用支援ではなく、事業成長を支える長期的なパートナーとして、継続的な採用力向上をサポートする姿勢が、信頼関係の構築につながっています。

これらの共通点は、中小介護施設が採用で成功するための重要なヒントとなるでしょう。


採用のプロが支援する「かいごのおたすけ採用隊」

ここまで紹介してきた成功事例を見ると、「採用のプロ」の存在が大きな役割を果たしていることがわかります。しかし、多くの中小介護施設では、採用のプロを社内に抱えることは難しいのが現実です。

そこで注目したいのが、中小介護事業者専門の採用課題解決サービス「かいごのおたすけ採用隊」です。

このサービスは、月額10万円(税別・契約期間3ヶ月〜)で採用業務を完全代行。初期費用無料、成果報酬無料、求人掲載費込みの明確な料金体系で、中小介護施設の採用をトータルにサポートします。

「かいごのおたすけ採用隊」の特徴は、以下の3つのアプローチにあります。

  • 戦略的求人設計:大手施設との差別化を図る独自の求人戦略を策定。アットホームな職場環境や成長機会など、中小事業者ならではの魅力を最大限に活用します。
  • 積極的スカウト活動:待ちの採用から攻めの採用へ。専門スタッフが求職者一人ひとりに丁寧にアプローチし、施設の魅力を直接伝えて優秀な人材を獲得します。
  • 業界ネットワーク活用:全国の優良人材紹介会社との強固なパートナーシップを活用。中小事業者の価値を理解した紹介会社から、質の高い人材を継続的に紹介します。

実際に導入した施設からは、「3ヶ月で5名の採用に成功した」「採用業務時間が50%削減された」「2ヶ月で2名の採用に成功した」など、具体的な成果が報告されています。

採用のプロに任せることで、本来の業務に集中できるというメリットも大きいでしょう。


まとめ:中小介護施設の採用成功への道筋

介護人材の確保は、今後ますます重要な経営課題となっていきます。しかし、今回紹介した10の事例からもわかるように、工夫次第で中小介護施設でも採用に成功することは十分に可能です。

最後に、中小介護施設が採用で成功するためのポイントをまとめておきましょう。

  • 若手職員を巻き込んだ採用活動で同世代の共感を獲得する
  • 魅力発信チームを結成し、施設の価値を効果的に伝える
  • 地域性などの「弱み」を「強み」に変換する発想の転換を行う
  • 応募者へのレスポンスを徹底的に迅速化する
  • 職場の清潔感と職員の笑顔で好印象を獲得する
  • 対話型面接で求職者の志望度をアップさせる
  • 募集要件を柔軟化し、採用の間口を広げる
  • 制度の充実で離職率低下と採用力アップを同時に実現する
  • 人材育成・教育の充実で若手人材の心を掴む
  • 時代の変化に対応した新しい採用手法を積極的に取り入れる

これらのポイントを自施設の状況に合わせて取り入れることで、採用成功への道筋が見えてくるでしょう。

また、自力での取り組みが難しい場合は、「かいごのおたすけ採用隊」のような専門サービスの活用も検討してみてください。採用のプロの力を借りることで、効率的かつ効果的な採用活動が実現できるかもしれません。

人材確保の課題を乗り越え、質の高い介護サービスを持続的に提供していくために、今日からできることから始めてみましょう。

介護施設の採用でお悩みなら、中小介護事業者専門の採用課題解決サービス「かいごのおたすけ採用隊」にぜひご相談ください。月額10万円で採用業務を完全代行し、あなたの施設の採用成功をサポートします。詳細はこちらから

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この記事を書いた人

介護・建設・製造業をはじめとした中小企業の採用支援に従事。人材不足に悩む現場に対し、求人広告・SNS採用・採用代行(RPO)などを組み合わせた戦略的な採用コンサルティングを提供。現場理解とデジタル活用を強みに、企業の持続的な人材確保を支援しています。

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