
介護施設の採用に失敗する理由とは?現場で起きている7つの問題
「求人を出しても全然応募がこない」「せっかく採用できても、すぐに辞めてしまう」
介護施設の経営者や管理者なら、こんな悩みを抱えていませんか?介護業界の人手不足は年々深刻化しており、2025年の現在、多くの施設が採用に苦戦しています。
厚生労働省の統計によれば、介護職の有効求人倍率は3.41倍と全職業平均の1.16倍を大きく上回っています。つまり、求職者1人に対して3.41件の求人があるという、極めて厳しい売り手市場なのです。
しかし、同じ介護業界でも採用に成功している施設と失敗している施設があります。その差は何でしょうか?
本記事では、介護施設の採用担当者として10年以上の経験を持つ筆者が、採用失敗の原因と具体的な解決策を徹底解説します。採用に悩む介護施設の経営者・管理者の方は、ぜひ最後までお読みください。

原因1:求人内容が魅力的でない
多くの介護施設が陥る最初の失敗は、求人内容の魅力不足です。
「介護スタッフ募集」「未経験者歓迎」「資格取得支援あり」といった当たり前の文言だけでは、今の時代、求職者の心を掴むことはできません。求職者は複数の求人を比較検討しており、あなたの施設の求人が埋もれてしまうのです。
特に中小規模の介護施設では、大手と同じような求人を出しても太刀打ちできません。給与や福利厚生で勝負するのではなく、施設ならではの強みや特色を前面に出す必要があります。
ある関東地方のデイサービス(従業員15名)では、「アットホームな職場環境」を強調するだけでなく、「月1回のランチミーティングで全員の意見を運営に反映」「子育て中のスタッフが多く、急な休みにも対応」など、具体的なエピソードを盛り込んだ求人に変更したところ、応募数が3倍に増えたそうです。
求職者が本当に知りたいのは、「そこで働くとどんな毎日が待っているのか」という具体的なイメージです。
求人は単なる条件の羅列ではなく、あなたの施設で働く魅力を伝えるストーリーである
求人内容改善のポイント
- 施設の理念や特色を具体的に伝える
- 働くスタッフの声や日常の様子を盛り込む
- 成長できる環境や将来のキャリアパスを明示する
- 写真や動画を活用して職場の雰囲気を伝える
- 応募者が知りたい情報(シフト例、休暇取得実績など)を詳しく記載する

原因2:採用チャネルの選択ミス
「求人サイトに掲載したのに全く反応がない…」
このような悩みを抱える施設は少なくありません。実は、採用チャネルの選択を間違えていることが大きな原因かもしれません。
介護業界では、一般的な求人サイトよりも、介護専門の求人サイトや人材紹介会社の方が効果的なケースが多いです。また、地域密着型の小規模施設であれば、地元の求人情報誌やハローワークが意外と高い効果を発揮することもあります。
九州地方のあるグループホーム(従業員8名)では、全国規模の求人サイトで1ヶ月間掲載しても応募がゼロだったのに対し、地域密着型の求人情報誌に掲載したところ、2週間で3名の応募があったといいます。
効果的な採用チャネル選びのコツ
- 求めている人材像(年齢層、経験、資格など)に合わせたチャネルを選ぶ
- 複数のチャネルを併用して効果を比較する
- 地域性を考慮した媒体選定を行う
- 既存スタッフの採用経路を調査して効果的なチャネルを把握する
- 費用対効果を定期的に検証し、最適なチャネルに集中投資する
採用チャネルは「打てば響く」媒体を見つけることが重要です。高額な求人広告を出すよりも、ターゲットとなる求職者に確実に届くチャネルを選ぶことで、少ない予算でも効果的な採用活動が可能になります。
どうですか?あなたの施設では、どんな人材を採用したいのか、その人材はどこで求人情報を探しているのか、しっかり分析できていますか?
原因3:採用基準があいまい
「とにかく人手が足りないから、応募があれば採用してしまう」
人手不足に悩む介護施設では、このような状況に陥りがちです。しかし、採用基準をあいまいにしてしまうと、長期的には大きな問題を引き起こします。
採用基準が明確でないと、施設の理念や方針に合わない人材を採用してしまい、既存スタッフとの不和や利用者へのサービス低下を招くことになります。さらに、不適切な採用は早期離職につながり、結果的に採用コストの増大と組織の不安定化を引き起こすのです。

関西地方のある特別養護老人ホーム(従業員45名)では、「人柄重視」という曖昧な基準で採用を行っていましたが、採用後のミスマッチが多発していました。そこで、「利用者第一の姿勢」「チームワークを重視する協調性」「困難に立ち向かう前向きさ」という3つの明確な基準を設け、面接での質問や評価シートもこれに合わせて再設計しました。
その結果、採用後の定着率が50%から80%に向上し、チーム全体の雰囲気も改善されたそうです。
採用基準を明確にするステップ
- 施設の理念や方針に基づいた「求める人物像」を具体化する
- スキルや経験だけでなく、価値観や行動特性も基準に含める
- 面接での質問項目を基準に合わせて設計する
- 複数の評価者で客観的に判断する仕組みを作る
- 採用基準を定期的に見直し、成功事例・失敗事例から学ぶ
「人手不足だから誰でも採用」という発想は捨て、「適切な人材を見極めて採用する」という姿勢に転換することが、長期的な採用成功への鍵となります。
原因4:面接プロセスの不備
せっかく応募があっても、面接プロセスに問題があると、優秀な人材を逃してしまいます。
介護施設の面接でよく見られる問題点として、一方的な質問ばかりで応募者の疑問や不安に答える時間がない、施設の魅力や特色を十分に伝えられていない、面接官の対応が不適切で応募者に悪印象を与えてしまうなどが挙げられます。
面接は採用側が応募者を評価する場ではなく、お互いを知り、マッチングを確認する重要な機会です。特に介護業界のような人材不足の業界では、応募者も施設を選ぶ立場にあることを忘れてはいけません。
効果的な面接プロセスの構築法
- 施設見学を面接に組み込み、実際の職場環境を体感してもらう
- 現場スタッフとの交流の機会を設け、リアルな職場の雰囲気を伝える
- 応募者の質問や不安に丁寧に答える時間を十分に確保する
- 面接官のトレーニングを実施し、適切な対応ができるようにする
- 面接後のフォローアップを迅速に行い、応募者との関係を大切にする
ある東京都内の介護施設では、従来の質疑応答型の面接から、「半日職場体験型面接」に変更したところ、採用後のミスマッチが大幅に減少したといいます。応募者は実際の業務や職場の雰囲気を体験でき、施設側も応募者の実際の行動や対応を見ることができるため、お互いにとって有益な面接方法となっています。
面接は単なる選考の場ではなく、応募者に「ここで働きたい」と思ってもらうための重要なマーケティングの機会でもあるのです。
原因5:オンボーディングの不足
採用に成功しても、その後のフォローが不十分だと、せっかく採用した人材がすぐに離職してしまいます。
新入職員が職場に馴染み、戦力として活躍するまでの過程を「オンボーディング」と呼びますが、この過程をおろそかにしている介護施設は少なくありません。
「人手不足だから早く現場に出て」と十分な研修期間を設けなかったり、業務マニュアルが整備されていなかったり、先輩職員からの指導が不十分だったりすると、新入職員は不安や孤独を感じ、「自分には向いていない」と早期離職につながります。

公益財団法人介護労働安定センターの調査によると、介護職の離職理由として「職場の人間関係」や「教育訓練の不足」が上位に挙げられています。つまり、採用後のケアが離職防止の鍵を握っているのです。
効果的なオンボーディングのポイント
- 詳細な研修計画を立て、段階的に業務を覚えられるようにする
- メンター制度を導入し、相談しやすい環境を整える
- 定期的な面談を実施し、不安や課題を早期に発見・解決する
- 業務マニュアルや手順書を整備し、いつでも確認できるようにする
- チーム全体で新入職員をサポートする文化を醸成する
北海道のある介護施設では、新入職員に対して3ヶ月間の段階的な研修プログラムと、先輩職員によるメンター制度を導入したところ、1年以内の離職率が30%から5%に激減したそうです。
採用はゴールではなく、人材育成の始まりにすぎません。充実したオンボーディングこそが、採用成功の真の鍵なのです。
あなたの施設では、新入職員に対してどのようなサポート体制を整えていますか?
原因6:職場環境・待遇の問題
採用活動がうまくいかない根本的な原因として、職場環境や待遇の問題が隠れていることがあります。
いくら採用活動に力を入れても、職場の人間関係が悪い、業務負担が過大、給与や休暇が不十分といった問題があれば、口コミで広がり、応募自体が減少してしまいます。また、採用できても早期離職につながり、悪循環に陥ります。
内閣府の「令和6年版高齢社会白書」によると、介護関係職種の有効求人倍率は4.02倍と全職業平均の1.19倍を大きく上回っています。このような売り手市場では、求職者は複数の選択肢から職場環境や待遇の良い施設を選ぶ傾向にあります。
職場環境・待遇改善のアプローチ
- 現職員の満足度調査を実施し、改善点を把握する
- 業務効率化やICT導入により、職員の負担を軽減する
- キャリアパスを明確化し、成長意欲に応える仕組みを作る
- 柔軟な勤務体制や休暇取得を促進する
- 給与体系の見直しや独自の福利厚生を検討する
東京都内のある介護施設では、職員の声を聞いて「ノー残業デー」の導入や「有給休暇取得促進月間」の設定、業務効率化のためのICTツール導入などを行ったところ、既存職員の満足度が向上しただけでなく、「働きやすい職場」という評判が広がり、応募数が増加したといいます。
最高の採用戦略は、現職員が「ここで働くことを友人に勧めたい」と思える職場づくりである
採用活動と職場環境の改善は表裏一体です。採用に苦戦している場合は、まず自施設の職場環境や待遇を見直してみることが重要です。

原因7:採用担当者のスキル不足
介護施設では、採用業務を専門とする担当者がおらず、施設長や事務職員が兼務していることが多いです。
しかし、採用活動は専門的なスキルを要する業務です。求人原稿の作成、応募者対応、面接技術、採用マーケティングなど、さまざまな知識とノウハウが必要となります。これらのスキルが不足していると、せっかくの採用機会を逃してしまうことになります。
特に中小規模の介護施設では、採用担当者が他の業務と兼務していることが多く、採用活動に十分な時間を割けないという問題も抱えています。
採用担当者のスキルアップ方法
- 採用に関するセミナーや研修に参加する
- 採用成功事例を学び、自施設に応用する
- 採用代行サービスや人材紹介会社のノウハウを活用する
- 採用活動の数値目標を設定し、PDCAサイクルを回す
- 採用業務の一部をアウトソーシングして効率化する
「採用は専門家に任せるべき」という考え方も広がっています。実際に、採用業務を専門の代行サービスに委託することで、採用成功率が大幅に向上したという事例も多く報告されています。
例えば、「かいごのおたすけ採用隊」のような中小介護事業者専門の採用課題解決サービスを利用することで、専門的なノウハウを活用しながら、効率的な採用活動を展開することが可能になります。
介護施設の採用成功へ導く具体的な解決策
ここまで介護施設の採用失敗の7つの原因について解説してきました。では、これらの問題を解決し、採用成功へと導くための具体的な方法を見ていきましょう。
1. 施設の強みを活かした求人戦略の構築
大手施設との差別化を図るためには、中小施設ならではの強みを明確にすることが重要です。アットホームな雰囲気、意見が通りやすい風通しの良さ、柔軟な働き方など、大手にはない魅力を前面に押し出しましょう。
求人原稿は「私たちはこんな人を求めています」という一方的なメッセージではなく、「あなたがここで働くとこんな良いことがあります」という応募者視点のメッセージに変えることが効果的です。
2. 多角的な採用チャネルの活用
一つの採用チャネルに頼るのではなく、複数のチャネルを組み合わせることで、より幅広い層にアプローチできます。
- 介護専門の求人サイト
- 地域密着型の求人媒体
- ハローワーク
- SNSを活用した採用広報
- 従業員紹介制度
- 介護専門の人材紹介会社
各チャネルの費用対効果を測定し、自施設に最適な組み合わせを見つけることが大切です。
3. 採用基準と評価プロセスの明確化
「この人を採用したい」という感覚的な判断ではなく、客観的な基準に基づいた評価を行うことが重要です。
採用基準は「必須条件」と「歓迎条件」を明確に分け、複数の面接官による多角的な評価を行うことで、偏りのない人材選考が可能になります。また、技術や経験だけでなく、施設の理念や方針に共感できるかどうかも重要な評価ポイントです。
4. 応募者体験の向上
応募から採用までのプロセスを応募者視点で見直し、ストレスなく進められるよう改善しましょう。
- 応募後の連絡を迅速に行う
- 面接日程の調整を柔軟に対応する
- 施設見学や職場体験の機会を提供する
- 質問や不安に丁寧に答える
- 不採用の場合も丁寧なフィードバックを行う
応募者に対する丁寧な対応は、たとえ今回採用に至らなくても、将来的な応募や口コミでの評判向上につながります。
5. 充実したオンボーディングプログラムの構築
新入職員が安心して業務に取り組めるよう、段階的な研修プログラムを用意しましょう。
- 入職前オリエンテーション
- 業務マニュアルの整備
- メンター制度の導入
- 定期的なフォローアップ面談
- 段階的な業務習得計画
特に入職後3ヶ月は離職リスクが高い時期です。この期間のサポートを手厚くすることで、定着率を大幅に向上させることができます。
6. 働きやすい職場環境の整備
現職員の満足度向上が、結果的に採用成功につながります。
- 業務効率化による負担軽減
- 休暇取得の促進
- コミュニケーション活性化の取り組み
- キャリアアップ支援
- 福利厚生の充実
「この職場で長く働きたい」と思える環境づくりが、口コミによる応募増加や従業員紹介の活性化につながります。
7. 専門家の活用
採用活動に十分なリソースを割けない場合は、専門家の力を借りることも検討しましょう。
「かいごのおたすけ採用隊」のような中小介護事業者専門の採用支援サービスを利用することで、求人戦略の策定から応募者対応、面接調整まで一貫してサポートを受けることができます。月額10万円(税別)で採用業務を完全代行し、初期費用無料、成果報酬無料というシンプルな料金体系も魅力です。
実際に、このサービスを利用した関東地方のデイサービスでは3ヶ月で5名の採用に成功し、関西地方の特別養護老人ホームでは採用業務時間を50%削減できたという実績があります。
まとめ:介護施設の採用成功は戦略的アプローチから
介護施設の採用失敗には、求人内容の魅力不足、採用チャネルの選択ミス、採用基準のあいまいさ、面接プロセスの不備、オンボーディングの不足、職場環境・待遇の問題、採用担当者のスキル不足という7つの原因があることを解説してきました。
これらの問題を解決するためには、施設の強みを活かした求人戦略の構築、多角的な採用チャネルの活用、明確な採用基準の設定、応募者体験の向上、充実したオンボーディングプログラムの構築、働きやすい職場環境の整備、そして必要に応じた専門家の活用が効果的です。
介護業界の人手不足は今後も続くと予想されますが、戦略的なアプローチで採用活動を見直すことで、他施設との差別化を図り、優秀な人材を確保することは十分に可能です。
特に中小規模の介護施設では、大手にはない魅力を最大限に活かした採用戦略が重要となります。「かいごのおたすけ採用隊」のような専門サービスを活用することで、限られたリソースの中でも効果的な採用活動を展開することができるでしょう。
介護人材の確保は一朝一夕にはいきませんが、地道な改善の積み重ねが必ず成果につながります。今日からでも実践できる改善策から始めて、採用成功への第一歩を踏み出しましょう。
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