
SNS採用の現状と課題|なぜKPI設定が重要なのか
SNS採用に取り組む企業が急増している。
InstagramやX(旧Twitter)、TikTokなどのSNSプラットフォームを活用し、従来の採用手法では届かなかった人材へのアプローチを実現する新たな採用戦略だ。特に若手人材の獲得において、その効果は無視できないものになっている。
しかし、多くの企業がSNS採用に取り組みながらも、その効果を正確に測定できていないという課題を抱えている。「なんとなくフォロワーが増えた」「反応が良かった気がする」という感覚的な評価にとどまり、本当に採用活動に貢献しているのかが見えないままだ。
あなたはこんな疑問を持っていないだろうか?
「SNS運用にリソースを割いているけど、本当に効果があるの?」
「フォロワー数を増やせばいいの?それとも他に重視すべき指標がある?」
「どうすれば採用につながるSNS運用ができるの?」
SNS採用の成否を分けるのは、適切なKPI(重要業績評価指標)の設定と管理にある。KPIとは、目標達成のために設定する具体的な数値指標のことだ。SNS採用においては、単純なフォロワー数やいいね数だけでなく、採用活動の成果に直結する指標を設定することが重要になる。
本記事では、SNS採用を成功させるための正しいKPI設定法について解説する。適切なKPIを設定し、効果測定と改善を繰り返すことで、SNS採用の効果を最大化するためのノウハウを提供する。

SNS採用におけるKPIとは|正しい指標の選び方
SNS採用におけるKPI設定で最も重要なのは、「採用SNSと趣味SNSで追う数字が異なる」という点だ。
多くの企業が陥りがちな罠は、一般的なSNSマーケティングの指標をそのまま採用活動に適用してしまうことにある。しかし、採用目的のSNS運用と、商品販売やブランディング目的のSNS運用では、重視すべき指標が大きく異なるのだ。
採用SNSでは、フォロワー数やいいね数を過度に追いかけるべきではない。なぜなら、就活生や転職希望者は「企業側に自分のアカウントを知られたくない」という心理が働くため、フォローやいいねなどのアクションのハードルが非常に高いからだ。
では、何を重視すべきなのか?
SNS採用で重視すべき主要KPI
SNS採用において効果的なKPIは、以下の指標を中心に設定するのが望ましい。
- リーチ数:投稿を見てくれたユーザー数
- インプレッション数:投稿が表示された回数(PV数)
- プロフィールアクセス数:ユーザーがプロフィール画面にアクセスした回数
- プロフィールアクセス率:投稿から何人のユーザーがプロフィールに流入したかの割合
特に重要なのは「リーチ数」だ。リーチ数を指標として立てることで、どれだけ多くの人に自社の情報を届けられているかを確認できる。また、リーチ数に対してインプレッション数が多ければ、一人のユーザーが投稿を何度も確認していることがわかる。つまり、企業に対して強い興味を抱いている就活生がいるということだ。
私が実際に採用SNSの運用を支援した企業では、フォロワー数よりもリーチ数を重視した戦略に切り替えたことで、応募者数が1.5倍に増加した事例がある。数字を追うべきポイントを正しく設定することが、成果につながるのだ。

サブ指標として見るべきKPI
主要KPIを補完する形で、以下の指標も参考程度に見ておくとよいだろう。
- フォロワー数:自分のアカウントをフォローしている人の数
- エンゲージメント率:投稿に対する反応の割合(エンゲージメント数÷リーチ数)
- 保存数:投稿を保存した人の数
- ホーム率:自分の投稿がフォロワーのホーム画面で閲覧された割合
特に「保存数」は、採用SNSにおいて重視してもよい指標だ。保存という行動は第三者に見られることなく行えるため、就活生も気軽に行える。投稿の保存数が多いということは、その内容に強い関心を持っている人が多いことを示している。
どうですか?今までフォロワー数ばかりを気にしていませんでしたか?
効果的なKPI設計の実践ステップ
SNS採用のKPIを効果的に設計するためには、明確なステップを踏む必要がある。
まずは、自社のSNS運用の目的を明確にしよう。「認知度向上」「応募者数増加」「内定承諾率向上」など、何を達成したいのかを具体的に定めることが第一歩だ。
次に、その目的達成に必要なKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)を設定する。KGIは最終的な成果指標であり、例えば「月間応募者数30名」「内定承諾率80%」などが該当する。
そして、KGIを達成するために必要なKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定する。これが日々の活動を評価する指標となる。

プラットフォームごとのKPI設定方法
SNSプラットフォームによって、設定すべきKPIや計測方法が異なる。主要なSNSごとの設定方法を見ていこう。
- Instagram:プロアカウントに切り替えることで「プロフェッショナルダッシュボード」が利用可能になる。ここから各種インサイト数値を確認できる。
- X(旧Twitter):「Twitterアナリティクス」から、インプレッション数やエンゲージメント率などの指標を確認できる。
- TikTok:プロアカウントに切り替えることで、動画のパフォーマンスや視聴者の属性などの詳細なデータを確認できる。
- LinkedIn:「アナリティクス」タブから、投稿のパフォーマンスやフォロワーの属性などを確認できる。
例えば、Instagramの場合、アカウントタイプをプロアカウントに切り替えると、「プロフェッショナルダッシュボード」が表示される。ここでは、リーチ数、インプレッション数、プロフィールアクセス数などの重要指標を確認できる。これらの数値を定期的に記録し、分析することで、投稿の効果を測定できるようになる。
私が支援したある製造業の企業では、Instagramのインサイト分析を活用して投稿内容を最適化した結果、プロフィールアクセス数が2倍に増加し、採用サイトへの流入も大幅に向上した。データに基づく改善が、確実に成果につながるのだ。
KPI設定時の注意点
KPIを設定する際には、以下の点に注意しよう。
- 測定可能な指標を選ぶ:数値化できない曖昧な指標はKPIには適さない
- 達成可能かつ挑戦的な目標を設定する:簡単すぎず、難しすぎない適切なレベルに設定
- 定期的に見直す:環境の変化に応じてKPIも更新する
- 複数の指標を組み合わせる:単一の指標だけでは全体像が見えない
特に重要なのは、「測定可能な指標を選ぶ」ことだ。「企業イメージの向上」といった曖昧な目標ではなく、「プロフィールアクセス数を月間1000件以上にする」といった具体的な数値目標を設定しよう。
また、KPIは固定ではなく、環境の変化や成果に応じて柔軟に見直すことが重要だ。SNSのアルゴリズムは頻繁に変更されるため、効果的な指標も変わる可能性がある。定期的に見直しを行い、最適なKPI設定を維持しよう。
あなたの会社では、どのようなKPIを設定していますか?
SNS採用のKPI管理と効果測定の実践法
KPIを設定したら、次は効果的な管理と測定を行う必要がある。
まずは、KPI管理のためのツールを整備しよう。エクセルやGoogleスプレッドシートなどを活用し、各指標の推移を記録するためのフォーマットを作成する。日次・週次・月次など、適切な頻度で数値を記録し、グラフ化することで傾向を視覚的に把握できるようになる。
次に、定期的なレビューミーティングを設定しよう。週に1回程度、SNS運用チームでKPIの達成状況を確認し、課題や改善点を議論する場を設けることが重要だ。
効果的なKPI分析のポイント
KPIデータを効果的に分析するためのポイントを紹介しよう。
- 投稿時間・曜日ごとの反響比較:どの時間帯・曜日の投稿が最も効果的か分析する
- コンテンツタイプごとの効果測定:写真、動画、カルーセルなど、形式ごとの効果を比較する
- テーマ別の反応分析:社員紹介、オフィス紹介、仕事内容など、テーマごとの反応を分析する
- 競合他社との比較:同業他社のSNS運用と自社を比較し、改善点を見つける
例えば、投稿時間・曜日ごとの反響を分析することで、ターゲットとなる就活生が最もアクティブな時間帯を特定できる。IT企業のSNS運用を支援した際には、平日の22時以降の投稿が最もリーチ数が高いことが判明し、投稿スケジュールを調整したことで全体的なエンゲージメントが30%向上した事例もある。
また、コンテンツタイプごとの効果測定も重要だ。写真、動画、カルーセル(複数画像)など、形式によって反応が大きく異なることがある。特に採用SNSでは、社員の生の声や職場の雰囲気を伝える動画コンテンツの効果が高い傾向にある。

アンケート調査による効果検証
SNS運用の効果を測定する上で、数値データだけでなくアンケート調査も非常に有効だ。選考参加者、内定者、新入社員などを対象に、以下のような質問でアンケートを実施しよう。
- 「自社のSNSアカウントを見たことがあるか」
- 「SNSの投稿で興味・理解度(志望度)が上がったか」
- 「どの投稿が印象に残ったか」
- 「SNSを見て実際に応募を決めたか」
ある企業では、週3回投稿で採用インスタグラムを1年運用したところ、内定者アンケートで89.9%の人が「見ていた」という結果が出たという事例もある。このように、定量的なKPIだけでなく、定性的な評価も組み合わせることで、より正確な効果測定が可能になる。
あなたは、SNS運用の効果をどのように測定していますか?
SNS採用のKPI改善に向けた具体的施策
KPIの測定結果に基づいて、具体的な改善施策を実行していくことが重要だ。
リーチ数を向上させるためには、ハッシュタグ戦略の最適化が効果的だ。業界や職種に関連するハッシュタグ、採用関連のハッシュタグを適切に組み合わせることで、投稿の露出を増やすことができる。また、トレンドのハッシュタグを取り入れることも効果的だが、無関係なハッシュタグの乱用は逆効果になるので注意が必要だ。
プロフィールアクセス数を向上させるには、投稿内容の質を高めることが重要だ。特に「社員の生の声」「オフィスの雰囲気」「実際の業務内容」など、求職者が知りたい情報を提供することで、プロフィールへの流入を促進できる。
時には思い切った変化も必要だ。私が関わったある企業では、堅い企業イメージを払拭するために、社員の趣味や休日の過ごし方を紹介するコンテンツにシフトしたところ、若手応募者が大幅に増加した。データに基づいて大胆に方向転換することも、時には効果的なのだ。

プラットフォーム別改善施策
各SNSプラットフォームの特性に合わせた改善施策も重要だ。
- Instagram:ビジュアル重視のプラットフォームなので、高品質な写真・動画の投稿が効果的。ストーリーズ機能を活用した日常的な投稿も効果的。
- X(旧Twitter):短文での情報発信が基本。採用情報やイベント告知、社員の声などをコンパクトに伝える。ハッシュタグを効果的に活用する。
- TikTok:短尺動画が中心のプラットフォーム。若手社員を起用した親しみやすいコンテンツが効果的。トレンドを取り入れた動画も反応が良い。
- LinkedIn:ビジネス特化型SNS。専門性の高い情報発信や業界動向の解説などが効果的。グローバル採用にも活用できる。
例えば、Z世代をターゲットにした採用では、TikTokの活用が効果的だ。ある製造業企業では、若手社員が工場内を案内する15秒の動画をTikTokに投稿したところ、従来の10倍以上のリーチを獲得し、若年層からの応募が大幅に増加した事例もある。
プラットフォームごとの特性を理解し、それぞれに最適化されたコンテンツ戦略を展開することが、KPI改善の鍵となる。
SNS広告の活用によるKPI向上
オーガニック(自然)な投稿だけでなく、SNS広告を活用することでKPIを大きく向上させることも可能だ。
SNS広告の最大の強みは、詳細なターゲティングが可能な点にある。年齢、居住地、興味関心など、様々な条件で広告を表示するユーザーを絞り込むことができる。例えば、「IT関連の投稿に興味を持つ20代前半の大学生」といった具体的なターゲット設定が可能だ。
また、SNS広告は予算に応じて柔軟に運用できる点も魅力だ。小規模な予算から始めて、効果を見ながら徐々に拡大していくことも可能だ。
SNS採用Proのようなサービスを活用すれば、SNS広告と採用施策を組み合わせた効果的な戦略を展開できる。精密なターゲティング機能により、理想の人材にピンポイントでアプローチし、従来の採用コストを半減させながら質の高い応募者を確保することが可能になる。
あなたの会社では、SNS広告を採用活動に活用していますか?
成功事例から学ぶ|SNS採用KPI活用の実際
具体的な成功事例を通じて、SNS採用におけるKPI活用の実際を見ていこう。
IT企業A社(従業員数120名)は、エンジニア採用が困難で3ヶ月間応募者ゼロという状況に陥っていた。そこでSNS採用に取り組み、GitHubやQiitaユーザーをターゲットにしたLinkedInとX(旧Twitter)広告を展開した。
A社が設定したKPIは「採用サイトへの流入数」と「プロフィールアクセス率」だった。これらの指標を週次で測定し、コンテンツを最適化した結果、応募者数が0名から月12名に増加。採用コストも50%削減し、採用期間も3ヶ月から1ヶ月に短縮された。
特に効果的だったのは、エンジニアの実際の業務内容や技術的な取り組みを紹介するコンテンツだった。技術的な深い内容を発信することで、専門性の高い優秀なエンジニアからの反応を得ることができたのだ。
製造業企業の事例
製造業B社(従業員数80名)は、若手人材の確保が困難で、平均年齢が上昇傾向にあるという課題を抱えていた。そこでInstagramとTikTokを活用し、若年層へのアプローチを強化した。
B社が設定したKPIは「20代ユーザーのリーチ数」と「動画再生完了率」だった。特に工場内の様子や製品の製造過程を紹介する動画コンテンツに注力し、若年層の興味を引くことに成功した。
その結果、20代応募者が月2名から月10名に増加。企業認知度も30%向上し、採用成功率も60%向上するという成果を上げた。
B社の成功の鍵は、「若者が知りたい情報」を徹底的に分析し、それに応えるコンテンツを提供したことにある。製造業というと堅いイメージがあるが、実際の現場の様子や社員の生の声を伝えることで、若年層の興味を引くことに成功したのだ。
サービス業企業の事例
サービス業C社(従業員数200名)は、ブランド認知度が低く、優秀な人材からの応募が少ないという課題を抱えていた。そこでFacebookとInstagramでのブランディング広告とリターゲティングを組み合わせた戦略を展開した。
C社が設定したKPIは「ブランド認知度」「エンゲージメント率」「採用サイト滞在時間」だった。特に企業理念や社員の成長ストーリーを中心としたコンテンツを展開し、企業の魅力を伝えることに注力した。
その結果、直接応募が3倍に増加し、応募者の質も大幅に向上。採用単価も40%削減するという成果を上げた。
C社の成功の鍵は、単なる採用情報の発信ではなく、「なぜこの会社で働くべきか」という本質的な価値を伝えるコンテンツを提供したことにある。企業の理念や文化、社員の成長機会など、求職者が本当に知りたい情報を提供することで、質の高い応募者を獲得することに成功したのだ。
これらの成功事例に共通するのは、適切なKPIを設定し、データに基づいた改善を継続的に行ったことだ。感覚や経験だけに頼るのではなく、数値に基づいた客観的な評価と改善が、SNS採用成功の鍵となる。
まとめ|SNS採用成功のためのKPI設定と活用
SNS採用を成功させるためのKPI設定と活用について、ポイントをまとめよう。
- 適切なKPIの選定:採用SNSでは「リーチ数」「プロフィールアクセス数」などを重視し、フォロワー数に過度にこだわらない
- 定期的な測定と分析:設定したKPIを定期的に測定し、傾向を分析する
- データに基づく改善:分析結果に基づいて、投稿内容や頻度、形式などを継続的に改善する
- プラットフォーム特性の理解:各SNSの特性を理解し、それぞれに最適化された戦略を展開する
- 定性的評価の併用:数値データだけでなく、アンケートなどの定性的評価も組み合わせる
SNS採用は、適切なKPI設定と継続的な改善があってこそ、その効果を最大化できる。「なんとなく」や「感覚」に頼るのではなく、データに基づいた戦略的なアプローチが重要だ。
SNS採用Proのようなサービスを活用すれば、精密なターゲティング機能や効果測定、データ分析に基づく継続的な改善を実現し、採用コストを削減しながら質の高い応募者を確保することが可能になる。
最後に、SNS採用で最も重要なのは「求職者が本当に知りたい情報」を提供することだ。企業の実態や文化、社員の生の声など、求職者の疑問や不安に応えるコンテンツを提供することで、質の高い応募者を獲得することができる。
適切なKPI設定と効果測定、そして継続的な改善。これらを実践することで、あなたの企業のSNS採用も必ず成功に導くことができるだろう。
より詳しい情報や具体的な支援が必要な場合は、SNS採用Proにお問い合わせください。採用コストを半減させながら、質の高い応募者を確保するための具体的な戦略をご提案いたします。